シルバーのお手入れ (3)還元反応を利用して綺麗にしてみた

英国雑貨トゥーシェではアンティークや現代物問わず、多くの銀製品を取り扱っております。小物の銀製品はチェック袋などに入れて保管してある為、長い月日が経っても黒くなっている事はほとんどありません。

 
ただし、大きめの雑貨やカトラリーは変色してしまう事も少なくなく、磨いても綺麗にならない物も多いです。
今回も、そんな銀製品のお悩み系記事になります。先日、イギリスから銀のティーポット/シルバープレートのティーポットが届きましたので、その写真を使って説明します。
 
2年越しでついに、銀の手入れの記事の続編を書くことにしました。銀のお手入れ関連の内容は、今回を含み、4回に分けて投稿予定です。以下にリンクを貼っておきます。

 
 

銀が黒くなる原因

 
まず、この記事でシルバー(銀)が黒くなるのは「銀が硫黄と化学反応してくっつき、表面に硫化銀の膜ができる」ため、とお伝えしました。

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還元反応をする方法

 

今回、お伝えする「還元反応」は中学校くらいの化学の授業で出てくる内容です。この還元は、

硫化銀の硫黄に対して銀以上に相性のよい物質を与える事で、硫化銀の硫黄を取り除き元の銀に戻す

という現象です。
 
この化学反応を利用する事で「硫化銀として黒くなった銀を、通常の銀に戻します」。

以下のアイテムを用意しました。

  • 銀器
  • アルミホイル(アルミニウム)
  • 重曹(もしくは塩など)
  • 熱湯

それぞれ用途をお伝えしておくと、

    アルミニウムは銀から硫黄を引き剥がす役目、
    重曹と熱湯はその反応を助ける役目

を果たします。
 

図解するとこんな感じ。
硫化銀をアルミニウムと重曹を使った還元反応で銀に戻す図
 
 

還元反応を利用してシルバーを綺麗にする実験

 

理論的はこんな前述の通りなので、実際にやってみたいと思います。
実施した経過の写真を貼っていきます。

全てスターリングシルバーでできた100年以上前の素晴らしい銀のティーポット。

中も素晴らしく黒い(茶色い)です(笑)

 

中にアルミホイル・重曹を入れ、熱湯を入れます。

 

小一時間ほど経ち、ふたを開けると中の水が茶色くなってました。

 

洗うとこんな感じ。最初よりは随分良いですね。ただ、完全に綺麗になったとは云いがたいです。

 

再度試してみました。さきほどは時間が短かったので、今度は一晩つけてみました。

 

茶色いヌメリは残ったのですが、指でも取れるくらいだったので、中を軽く洗うととても綺麗になりました。

今回のパターンは、成功?!という印象でした。

というのも、色が茶色っぽかったので、もしかしたら硫化銀ではなく、単純に茶渋で汚れていただけだったのかも?

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

さて、次はシルバープレートのティーポットを。

これもやっぱり100年くらい前の物なので、かなり年季がはいっております。

 

重曹を入れまして

 

アルミホイルと熱湯を注ぎます。

 

小一時間ではあまり変化がないような気がしました。

 

気を取り直して2回目。

 

多少、銀色が見えてきましたがピカピカには程遠いですね。。

 

3回目で一晩つけてみました。

 

大分、綺麗になったのですが、やはりピカピカには程遠く、これ以上は綺麗にならなそうなのでやめました。

 

 

 

還元反応を利用した銀洗浄の結果

 

結論:

理屈上は、硫化銀は今回の還元反応で銀に戻るはずですが、
銀の硫化以外の変色(汚れ、塩化など)が発生している場合は、
完全には戻らない場合もありますね。

 

 

 


シルバーのお手入れ用品はこちらで売ってます。

 


こちらは英国雑貨トゥーシェの看板商品「シルバーラッキーチャーム」です。

 

 

 

ただ、悪くなる事もないので、家庭にある物でできるので一度試してみても楽しいですよ!

いぬお☆

 

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シルバーラッキーチャーム物語 Vol.3

 

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新生活。3月ですしね♪

 

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シルバーラッキーチャーム物語 Vol.2

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靴職人さん、ブレてますね。。。

 

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シルバーラッキーチャーム物語 Vol.1

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ブログにも貼っていこうと思います。

そういえば最初は「劇場」でした。

 

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シルバーのお手入れ (2)クロス、洗浄液で綺麗にしてみた

こんにちは。トゥーシェの いぬお☆ です。

昨日、日本橋三越の英国展が終わり、やっと事務所に戻ってこれました☆

 

トゥーシェでは30年近く銀製品を取り扱っております。

そんな銀製品のお悩み系記事です。

 

シルバー磨きクロスで銀を綺麗にしよう

 

前回、銀の黒くなる原因を簡単に説明しました。

今回は2回目の投稿ということで、実際にシルバーを銀磨き用のクロス(布)や洗浄液で綺麗にしてみたいと思います。

 

銀のお手入れ関連の内容は、今回を含み、4回に分けて投稿予定です。

 

 

黒くなった銀アクセサリーを発見!

まず、程よく黒くなったシルバーを見つけるのが意外と大変だったんですが、こんな感じのアイテムを集めてみました。

(アンティーク品も扱ってて良かった~(´∀`;A)

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かなり黒い(というか汚い)+くすんでる、物が見つかりました^^

 

 

シルバー磨きクロスはコレ

 

さて、こちらは銀磨き用の布です。

これはタウントーク社の商品で、トゥーシェのECサイト本店でも売っています(400円強)。この商品は比較的、研磨力が弱め(優しい、削り過ぎない)らしいです。他のメーカーの物もありますので、その辺りは好みとDIYショップなどの店員さんに確認しながら選んでください。分からない場合はとりあえず何でも良いと思います(目的は同じですし)。

 

クロスで磨くという事は、前回で説明した「硫化膜」を研磨して削り取り、中の銀を再度表面に出させる、という事です。

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銀を磨いた結果

 

さあ、磨きます!

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随分、クロス(布)が汚れていますが、クロスが黒くてもあまり気にしないでください。実はこれは、汚れではなく細かい銀(もしくは他の金属)らしいです。金属は非常に細かくなると黒く見えるらしい。手は汚れる覚悟でいてください(洗えばすぐ落ちます)。

 

さて、表・裏と約1分ほど磨くと、、、ant-sample6

表について、凸になっているところは綺麗になりましたが凹になっている所は(予想通りですが)磨けませんでした。裏に関しては光沢が出て多少白くなりましたが、地黒な感じは残っていますね。そこそこ綺麗になりましたが、写真だとあまり変わってる感じに見えないですね。裏は平面なのでもっと白っぽくなるかと思いましたが、これは予想外。

 

もう1つ(盾の形をした物)もやってみました。

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表面は元々くすみがある程度だったので、光沢が出た事以外あまり大差なく見えますが、ちゃんと綺麗になってます。また、裏面はかなり綺麗になりました。

 

 

シルバーポリッシュで磨いたまとめ

 

さて、磨いてみた感想をまとめます。

 

  • 凸凹した物だと、凹の方は全く綺麗になりません(陰影ができて見栄え上は良い。)
  • 綺麗に白くなる時とあまり白く戻らない時がある(光沢は出ます)。
  • 細かい物だと疲れます(結構、力つかいます)。

 

 

 

シルバー洗浄液を使ってみよう

 

さて、次は銀洗浄液を使ってみます。

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使うのは上記、左の物です。これもタウントーク社の物ですが、右の洗浄液よりちょっと強力・・・らしい(うちで売ってません)。右の洗浄液は、トゥーシェのECサイト本店でも扱っている商品です(1000円弱)。右の銀洗浄液でも同じように強力です。

 

なんにせよ、シルバー洗浄液は通常、酸性の液体で硫化膜を溶かします(もしくは還元作用で硫化銀を銀へ戻します)溶かすと言っても濃硫酸ではないので、手で触ってても大丈夫です(でした)が、肌が弱い人は気をつけた方が良いかもしれません。また、長時間の使用・手で触れる事は辞めてください。使用方法をよく読んで使ってください。また、使用後、手を必ず洗ってくださいね。

 

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さて、ボウルに少し液を貯め、対象のアイテムを1分程度入れて、ちょっとかき混ぜたりしました。その後によーく水洗いします。

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正直、1分も漬けなくて良いと思います。恐らく20秒でも十分綺麗になりますが、そこは洗浄液の強さで変わると思いますので、短い時間でのトライ&エラーを繰り返してみてください。あ、ちなみに今回使った液体は少しキツイ臭いがします(参考までに)。

 

 

 

シルバー洗浄液を使った結果

 

さて、その結果がこれです。

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3点とも見違えるように綺麗になりました。やはり労力が大してかからず、細部まで綺麗になるのは洗浄液ですね。

ただし、1個目のブローチのピン部分、2個目の勲章の上のパーツにご注目ください。この部分は銀ではなく別の金属(+塗装?)だったらしく、洗浄液で変色してしまいました。生地部分はボロボロにはなっておりませんが、長時間漬ければ目で分かるくらいダメージをうけると思います。銀以外のパーツがある場合は要注意です(特に宝石など!)。

 

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硫化銀(膜)は見事に取れますが、洗浄液で綺麗にした場合、表面が平らではないため「くすみ」の原因になります。そのため、クロスで研磨してあげましょう。勲章が分かりやすい例です。洗浄後、白く綺麗になってはいますが、光沢が微妙にありません。銀磨きのクロスでその後磨くとピカッとしました♪

 

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シルバー洗浄液で洗ったまとめ

 

さて、シルバーの洗浄液を使ってみた感想をまとめます。

 

  • 準備に気を使うが、作業自体は疲れない。
  • 凸凹した物でも綺麗になる!逆に、陰影が全て無くなる。
  • 洗浄後、光沢は少なめ(物による)。くすみが気になる場合は洗浄後にクロスでサッと研磨
  • 銀以外の部分には、悪影響がでる場合があるので、要注意!(洗浄液の説明書を読んでください)

 

 

 


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こちらは英国雑貨トゥーシェの看板商品「シルバーラッキーチャーム」です。

 
 

 

参考になりましたでしょうか?

次回は「還元作用」を利用して、銀を綺麗にする方法をやってみたいと思います。

 

いぬお@中野

 

 

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