シルバーのお手入れ (2)クロス、洗浄液で綺麗にしてみた

こんにちは。トゥーシェの いぬお☆ です。

昨日、日本橋三越の英国展が終わり、やっと事務所に戻ってこれました☆

 

トゥーシェでは30年近く銀製品を取り扱っております。

そんな銀製品のお悩み系記事です。

 

シルバー磨きクロスで銀を綺麗にしよう

 

前回、銀の黒くなる原因を簡単に説明しました。

今回は2回目の投稿ということで、実際にシルバーを銀磨き用のクロス(布)や洗浄液で綺麗にしてみたいと思います。

 

銀のお手入れ関連の内容は、今回を含み、4回に分けて投稿予定です。

 

 

黒くなった銀アクセサリーを発見!

まず、程よく黒くなったシルバーを見つけるのが意外と大変だったんですが、こんな感じのアイテムを集めてみました。

(アンティーク品も扱ってて良かった~(´∀`;A)

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かなり黒い(というか汚い)+くすんでる、物が見つかりました^^

 

 

シルバー磨きクロスはコレ

 

さて、こちらは銀磨き用の布です。

これはタウントーク社の商品で、トゥーシェのECサイト本店でも売っています(400円強)。この商品は比較的、研磨力が弱め(優しい、削り過ぎない)らしいです。他のメーカーの物もありますので、その辺りは好みとDIYショップなどの店員さんに確認しながら選んでください。分からない場合はとりあえず何でも良いと思います(目的は同じですし)。

 

クロスで磨くという事は、前回で説明した「硫化膜」を研磨して削り取り、中の銀を再度表面に出させる、という事です。

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銀を磨いた結果

 

さあ、磨きます!

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随分、クロス(布)が汚れていますが、クロスが黒くてもあまり気にしないでください。実はこれは、汚れではなく細かい銀(もしくは他の金属)らしいです。金属は非常に細かくなると黒く見えるらしい。手は汚れる覚悟でいてください(洗えばすぐ落ちます)。

 

さて、表・裏と約1分ほど磨くと、、、ant-sample6

表について、凸になっているところは綺麗になりましたが凹になっている所は(予想通りですが)磨けませんでした。裏に関しては光沢が出て多少白くなりましたが、地黒な感じは残っていますね。そこそこ綺麗になりましたが、写真だとあまり変わってる感じに見えないですね。裏は平面なのでもっと白っぽくなるかと思いましたが、これは予想外。

 

もう1つ(盾の形をした物)もやってみました。

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表面は元々くすみがある程度だったので、光沢が出た事以外あまり大差なく見えますが、ちゃんと綺麗になってます。また、裏面はかなり綺麗になりました。

 

 

シルバーポリッシュで磨いたまとめ

 

さて、磨いてみた感想をまとめます。

 

  • 凸凹した物だと、凹の方は全く綺麗になりません(陰影ができて見栄え上は良い。)
  • 綺麗に白くなる時とあまり白く戻らない時がある(光沢は出ます)。
  • 細かい物だと疲れます(結構、力つかいます)。

 

 

 

シルバー洗浄液を使ってみよう

 

さて、次は銀洗浄液を使ってみます。

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使うのは上記、左の物です。これもタウントーク社の物ですが、右の洗浄液よりちょっと強力・・・らしい(うちで売ってません)。右の洗浄液は、トゥーシェのECサイト本店でも扱っている商品です(1000円弱)。右の銀洗浄液でも同じように強力です。

 

なんにせよ、シルバー洗浄液は通常、酸性の液体で硫化膜を溶かします(もしくは還元作用で硫化銀を銀へ戻します)溶かすと言っても濃硫酸ではないので、手で触ってても大丈夫です(でした)が、肌が弱い人は気をつけた方が良いかもしれません。また、長時間の使用・手で触れる事は辞めてください。使用方法をよく読んで使ってください。また、使用後、手を必ず洗ってくださいね。

 

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さて、ボウルに少し液を貯め、対象のアイテムを1分程度入れて、ちょっとかき混ぜたりしました。その後によーく水洗いします。

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正直、1分も漬けなくて良いと思います。恐らく20秒でも十分綺麗になりますが、そこは洗浄液の強さで変わると思いますので、短い時間でのトライ&エラーを繰り返してみてください。あ、ちなみに今回使った液体は少しキツイ臭いがします(参考までに)。

 

 

 

シルバー洗浄液を使った結果

 

さて、その結果がこれです。

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3点とも見違えるように綺麗になりました。やはり労力が大してかからず、細部まで綺麗になるのは洗浄液ですね。

ただし、1個目のブローチのピン部分、2個目の勲章の上のパーツにご注目ください。この部分は銀ではなく別の金属(+塗装?)だったらしく、洗浄液で変色してしまいました。生地部分はボロボロにはなっておりませんが、長時間漬ければ目で分かるくらいダメージをうけると思います。銀以外のパーツがある場合は要注意です(特に宝石など!)。

 

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硫化銀(膜)は見事に取れますが、洗浄液で綺麗にした場合、表面が平らではないため「くすみ」の原因になります。そのため、クロスで研磨してあげましょう。勲章が分かりやすい例です。洗浄後、白く綺麗になってはいますが、光沢が微妙にありません。銀磨きのクロスでその後磨くとピカッとしました♪

 

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シルバー洗浄液で洗ったまとめ

 

さて、シルバーの洗浄液を使ってみた感想をまとめます。

 

  • 準備に気を使うが、作業自体は疲れない。
  • 凸凹した物でも綺麗になる!逆に、陰影が全て無くなる。
  • 洗浄後、光沢は少なめ(物による)。くすみが気になる場合は洗浄後にクロスでサッと研磨
  • 銀以外の部分には、悪影響がでる場合があるので、要注意!(洗浄液の説明書を読んでください)

 

 

 


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参考になりましたでしょうか?

次回は「還元作用」を利用して、銀を綺麗にする方法をやってみたいと思います。

 

いぬお@中野

 

 

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シルバーのお手入れ (1)銀が黒くなる原因

こんにちは。いぬお☆ です。

 

トゥーシェでは30年近く銀製品を取り扱っております。そんな銀製品のお悩み系記事です。

弊社には沢山の銀商品があります。こんなのとか。あんなのとか。

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にも関わらず、シルバー(銀)のお手入れについてのブログ記事がなかったので、書きます!

 

 

銀のお手入れ関連の内容は、今回を含み、4回に分けて投稿予定です。

 

 

長いと書くのも読むのも疲れますからね(*´-ω-`)

たぶん次回はギフトショー後かな。。

 

 

と、前置きが長くなりましたが!!
銀(シルバー)が黒くなる原因を話したいと思います。

 

 

銀が黒くなる原因

 

通常、銀が黒くなるのは銀が空気中の硫化水素(硫黄)と化学反応(結合)を起こし、「硫化銀」という物質に変わるからです。

 

ちなみに硫黄と反応することを「硫化(りゅうか)」と言います。極端な話、真空中なら銀は黒くならないという事です。

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これが黒い物体の正体です。

 

硫化銀の「皮膜」ができることで本来の銀色が隠れ、変色して見えるわけです。

 

銀製品を空気中に放置しておくと、最初はすこし黄色っぽくなり、次に茶色くなり、だんだん黒くなると思います(強めの反応が起これば、一気に黒くなるかも)。これは皮膜の厚みに応じて、色が変わって見えるためです。

 

では、この膜さえ取り除けば元に戻るという事ですね?!

そう、その通りです!(自問自答!)

 

シルバーは使った方が黒くならない

 

実は、薄い皮膜は実は肌・布との摩擦程度で取れます。というのも、空気中にも多かれ少なかれ硫黄は含まれていて、銀の硫化は常に起こっていますが、硫化でできた薄い膜は(アクセサリーであれば)衣類・肌などとの摩擦で削れて無くなってしまいます。

よく「シルバーは身に付けていないと黒くなる」と言われる所以です。これは摩擦が起きない事で皮膜が厚くなっていく速度が早いからです。

 

 

硫黄系の温泉は禁物!

 

反対に、硫化の反応を早めるのは、やっぱり温泉などが一番有名ではないでしょうか?泉質にもよりますが、硫黄系の温泉ならば一気に真っ黒になってしまうことも・・・。実は、わたくし、シルバー製のブレスレット(チェーンタイプ)をつけっぱなしで温泉に入り、真っ黒になった事があります。それはもう、黒の中の黒、という感じになりましたが、そのまま付けて生活していたら2週間ほどで元の色に戻りました(特に何もしていません)。材質や形状、用途によって一概には言えませんので、参考までに・・・という情報ですが。

 

銀は錆びているのか?

 

話は変わりますが、「錆びる」という方がいますが、サビではないです。錆びとは「酸化(酸素と化学反応)」の事で、硫化とは異なる現象です。銀の硫化は、鉄の酸化(錆び)のようにすぐには深く侵食しないです。長い間で、硫化銀の層が厚くはなりますのでご注意ください。戻すのが大変になります。

 

 

さて、長くなってきたのでまとめます。

 

  • 銀は硫黄と反応して黒くなる
  • 身に着けていれば黒くなりにくい(場合によるけど)
  • 空気をシャットアウトしよう(小さいものはチャック袋へ)
  • 「錆び」ではありません。錆よりは、元に戻しやすいです。

 

 

 


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長くなってきましたので、終わります。ありがとうございました。

次回のブログでは、銀磨き用のクロスや銀洗浄液を使って実際に銀を白くしてみたいと思います。と言ったものの、黒く変色してしまったアイテムを探さねば・・・!!

 

いぬお☆