タータンチェックを使っておしゃれを楽しもう

こんにちは、みうです。
 
なかなか緊急事態宣言も解けず、我慢の日々が続きますね。気軽に海外に行けていた時代が懐かしいです。また安全に旅ができる日を夢見て、思いを馳せてみました。
 
今回のテーマは「タータンチェック」です。みなさん、タータンチェックはお好きですか?タータンチェックと聞いて真っ先にイメージされることはなんでしょうか?
 

タータンチェックと聞いて最初に思うこと

やはりタータンチェックと一言で言っても、イメージされることは様々あると思います。
イギリス・スコットランドの伝統的衣装でバクパイプを吹いている音楽隊。
有名なファッションブランド、某百貨店の紙袋。
冬物アイテムのマフラーや、コート。
80年代にブームになった巻きスカート。
有名バンドの衣装、など。
今や身近なファッションアイテムとして使われています。
家の中を探してみるときっと1つでもタータンチェックの何かが見つかるはず。

タータンチェックには名前がある

公式なタータンチェックはスコットランド・タータン登記所に登録されていて、
全ての柄に名前があります。種類もカウントの仕方により幅がありますが、3,500~7,000ほどあるようです。

素材はウールが基本で主に羊がたくさんいるイギリス・スコットランドが産地になっています。

ウールなので、どうしても秋冬もののイメージが強いのは確かにそうなのです。

しかしタータンチェックの柄によっては、爽やかな組み合わせの色合いなどからオールシーズン違和感なく使えるものもあります。

そしてウールではあるのですが、ツイストのしっかりとした糸を使い、密に織り込まれているので、毛羽立ちもなく、さらさらとした触感で、ウールっぽさを感じさせない見た目
から使いやすさと上質さを感じられる生地になっているのも特徴です。

タータンチェックの歴史

もともとタータンチェックとはイギリス・スコットランドに定住したケルト民族によるものでクラン(氏族)といい、日本で言うところ家紋のようなものを示す柄でした。

一族の行事のときに制服のように着たり、戦の時に味方を見分けるために使われていて、調べていくと歴史は深く今とはかなり意味合いの違う使い方をされていました。

かなり割愛して話しますが、
16世紀に一度王位奪還の反乱を起こした軍がいて、その争いが鎮圧されタータンチェックの使用が禁止されることがありました。

もともとクランを示しているものだったので、誰しもが着れるものではなかったタータンチェック。

そこから時代が流れ19世紀に入りタータンチェック禁止令が解除され再び使用が許可された後、ファッションブランドとしても再評価を受ける様になりました。

今は気軽にファッションに溶け込んでいるので、まさかそんな意味合いがあったとは!と思う柄も結構あります。

タータンチェックの種類 ―クランとアーミー、その地域と。

では、タータンチェックにはどんな種類があるのでしょうか。

単純に好きな柄だわ♪というのにプラス、もし知らない知識があるならば、
それで深みが出てくれると嬉しいなって思います。

クラン・タータン

 王族、貴族、氏族の家柄を示すタータンチェック。先程少しだけ触れた日本で言うところの「家紋」のようなものを示す柄と言っていたのはこのシリーズのタータンチェックです。

線の本数が多ければ多いほど位の高いタータンチェックと言われていました。その中でもよく見かける柄はスコットランドで一番位が高いといわれる氏族の柄、「ロイヤル・スチュワート」ではないかと思います。

ロイヤル・スチュワート

真っ赤なベースに鮮やかな線が何本も重なることで上質差があがります。

日常用に使われていたロイヤル・スチュワート。そして同じ柄で、ベースの色を変えて正装用に仕上げられたシリーズがあり、それらのシリーズは「ドレス・スチュワート」など、「ドレス〇〇」という名前が付いています。

ドレス・スチュワート

交差する線の幅と色が同じでもベースが変わるだけで印象が全く変わりますよね。

ディストリクト・タータン

地域に関係し、その地域を示すタータンチェック。実際にその地に根ざしていたタータンチェックもあれば、名前だけがつけられたタータンチェックもあります。

エディンバラから少し上に上がったところに、セント・アンド・リュースという地域があり、ゴルフの聖地とも呼ばれている場所があります。

綺麗な芝生が広がったゴルフコースが街の中にあり、青空が綺麗な開けた場所です。この地域のタータンチェックで、鮮やかなターコイズブルーの柄があります。

セント・アンド・リュース

ミリタリー・タータン

 
ミリタリー・タータンは、軍隊用のタータンチェックを指します。最も良く知られているタータンチェックがグリーンとブラックをベースにした、ブラックウォッチです。
 
スコットランドの軍隊が揃いのタータンチェックを纏っていたのはかなり早い時期から。軍隊のタータンチェックは初期より緑・黒・青の三色を基調としており、黒っぽい色と警備の見張り(Watch:ウォッチ)から、連隊はブラックウォッチと呼ばれ、そのままタータンの名前になったと言われています。

恐らくこのタータンチェックが一番何にでも合わせやすく、使いやすいことから人気の柄になっています。

ブラック・ウォッチ

 

ファッション・タータン

 
タータン禁止令が解除されてから根強くファッションに浸透しており、もともとの柄にさらにアレンジを加え、デザイン派生したタータンチェックがあります。

歴史が深く柄も多いですが、廃れることのないように、より多くファッションで使えるように、考えられてきたんですね。

ブラウン・ウォッチ


ブラックウォッチからのデザイン派生したブラウン・ウォッチ

タータンチェックのほんの一部ですが、代表的なものをお伝えさせていただきました。

タータンチェックは作れる

 
登録すればあなたのタータンチェックができるかも!?

タータンチェックは登録申請すれば自由に作れることをご存じですか?

冒頭でお話しさせていただいたスコットランド・タータン登記所へ申請し、通ればオリジナルのタータンチェックの柄を作ることができます。

記憶に新しいのは神戸が開港150周年記念でディストリクトタータンとして、オリジナルの柄を作成されていました。神戸の街をイメージさせる鮮やかな青と白の組み合わせがさわやかですね。

また。先ほどのファッション・タータンの類で一度は耳にしたことのある、有名ブランドも象徴となるような柄を1920年代に登録し、使用しています。

タータンチェックの文化を後世に残すためにもいろんな取り組みがなされているのが感じられます。 

タータンチェックでコーディネートする


これまでタータンチェックの種類や、歴史などをお伝えしてきましたが、実際にタータンチェックを取り入れようと思ったとき、どんな使い方があるのかなと、思ったのではないでしょうか。

線のピッチ(間隔)が大きく、何本もの線が交差している柄だということを考えると、体のどこか一部であってもタータンチェックは充分な存在感を出すことができます。

そのため、重ねて使う場合には注意も必要です。

ポイントは3つ。

無地で挟むと落ち着く

洋服を選ぶとき、思わずテンションが上がって、その時の気持ちでかわいい!と思って買ってしまうことがありますよね。

家に帰ってクローゼットを見渡したら、ストライプから、チェック、ペイズリー、プリントパターンなど、好きなもので埋め尽くされているけど、柄on柄という状態。

組み合わせが難しくなってしまいます。

そうならないように、無地のカーディガンや、パンツ、スカートなど、柄が好きでも、ぐっと抑えて何点か持っていることをお勧めします。

ネルシャツをただ一枚羽織るより、ベーシックな色、またはそのチェックの中に含まれている色のカーディガンなどを選んで重ね着すると、落ち着いた雰囲気で上手にコーディネートができるようになります。

使う位置の距離を離す

統一感を出すことで効果的なのは距離の離れたところで同じ柄を使ってみること。

帽子と靴で揃える。
マフラーと靴下が一緒。
胸元のコサージュと、ショルダーバック。など、

小物使いをするときのさりげないポイントだと思います。

一見気づかれないようで、遠くから見たときに感じられる統一感がおしゃれ度をぐっとアップさせます。

この小物がタータンチェックだとまた、より分かりやすく統一感がでてよいのではないでしょうか。

タータンチェック同士を重ねる場合、片方をベーシックな色に抑える

前途でも記しました、柄on柄の難易度は高いですが、それでも柄が好き!という方へ。
柄on柄にもやり方があります。

タータンチェックが派手に見られがちなのは、色が多いことと線のピッチ(間隔)が広いこと。その同じピッチのものが重なって置かれた場合どうしても派手だなぁ、という印象になりがちです。

それを避けるためには、ブラックウォッチなどのベーシックな柄と何か好きな柄を合わせること、そして線の幅の感覚が違うものを重ねることをお勧めします。

例えば、グレンチェックなど、モノトーンなチェック柄は洋服で使われることが多いのですが、タータンチェックと重ねたときに実は違和感がありません。
線のピッチが一緒でもモノトーンの統一感と、線の細さが絶妙なバランスを取ります。

また、タータンチェックの線のピッチに対して、片方がギンガムチェックや、実はストライプなど、細かい柄は柄同士で差をつけられるので、問題なく重ねることができます。

ベーシックですがこの3点がつかめていたら、タータンチェックをおしゃれに使うことができると思います。

タータンチェックを是非身近な存在に

いかがでしたでしょうか。もし今までタータンチェックに対して、ナイーブなイメージを持っていらしたら、この記事で少しでも印象が変わることを願っています。

ファッションの観点からいうとタータンチェックはカントリー調になるものが多いです。そのため、扱い方が若干難しい場合もあります。かわいいと思って着てみたけど、なんかもさっとする。無難だけどすっきりしない。など。

でも使い方次第では、モダンにもエレガントにも様変わりします。

まだ、洋服に取り入れるには勇気がいるな、と思う方は是非小物から挑戦してみてください。

選ぶ柄、使い方で全く印象が変わるので、いろんなタータンチェックをご覧になって、ファッションをもっと楽しんでくださいね。

そして、タータンチェックのことをより深く知っていただいたその知識を持って、いつかスコットランドへ旅行ができる日が来たら、きっと見る景色も変わるかもしれません。身近にタータンチェックを感じていただけたら嬉しいです。

今回もありがとうございました。

レトロ感たっぷりの石膏額絵 アイボレックス

こんにちは、英国雑貨トゥーシェの いぬお☆ です。
 
先日、倉庫から出してきたアイボレックスという絵がレトロ感たっぷりなので大好きなので、ブログでも紹介しておこうと思います。
 

アイボレックスって何?

 

アイボレックス(ivorex)はイギリス・オズボーン社(Osborne)が1899年から1965年頃まで作っていた絵

でして、基本的に石膏(せっこう)で作られています。石膏は石のように重くも固くもないため、昔から造形物に使われたりする素材ですね。ちなみに石膏は英語だと「プラーク」と言われます。
 
アンハサウェイの家
 
デザインとしては、主に風景の絵が多く、観光地になるような名所のアイテムが多いです。上の絵は「アンハサウェイの家」で、有名な劇作家ウィリアム・シェイクスピアの奥さんの家で(正確には住んでいた可能性がある家…と言われております)、ストラッドフォード・アポン・エイボンという町にあります。
 
アイボレックスの特徴は、石膏で作られた絵が

  • 立体であること
  • 手書きで色付けされていること

です。
 
この2つが良い雰囲気を醸し出す要因になっていると思います。下の絵を見ると分かるかと思います。
アンハサウェイの家
かなりシッカリとした起伏がある事が分かります。また、明るく分かりやすい色の配色ではなく、地味な色を使っている事が多いのですが、光の明暗部分まで細かく塗りわけてあるのです。
 

アイボレックスで観光地紹介

 
それでは、いくつかの観光地をアイボレックスの額絵で紹介します。
 

ウィンザー城


これはイギリス好きで知らない人はいないと思われる程の観光名所「ウィンザー城」です。
ロンドンから西にあるウィンザー城はイギリスの君主の公邸の一つであり、イギリス王室の所有で女王エリザベス2世が週末に過ごす場所です。
 

タワー・オブ・ロンドン


タワー・オブ・ロンドン(ロンドン塔)はロンドンのテムズ川に沿いにある城塞です。この建物は中世に建てられ、宮殿や牢屋・動物園に使われたりと、長い歴史の中で色々な目的で使用されてきました。現在は美術館になっており中に入る事ができ、ロンドンの中でも中心に位置し、特に有名な観光名所になっています。
 

セントポール大聖堂


こちらはロンドンの有名な観光名所の1つ、セントポール大聖堂。ロンドン旅行経験者は行ったことがあるのではないでしょうか?
セント・ポール大聖堂はロンドンの金融街「シティ・オブ・ロンドン」にある大聖堂で、イングランド国教会ロンドン教区の主教座聖堂で、聖パウロを記念しています。近くにはミレニアムブリッジやテート美術館もありますね!私は実は2年程前にセントポールの上に登りましたが、意外と高くてちょっと怖かったです…。
 

シェイクスピアの生家


この風景は「シェイクスピア」の生家です。ストラッドフォード・アポン・エイボンという町にあり、現代では有名な観光地になっております。
記憶にある限りでは家の中にも入れたと思いますが、(当然かもしれませんが)中は広くなく、意外と微妙…だった気がしてます^^; 家の作りはチューダー調でとても素敵です‼
 
 
 

その他のプチ情報

 
最後に小ネタだけ列挙して終わりたいと思います。
 

アイボレックスには木製の額付きの豪華版もあり、過去に2つだけ見たことがあります(即、輸入しました)。

それ以来、1つも見付けられないので、実は希少な物だったのだと思います。トゥーシェ羽田空港店の時のお客様が購入していきましたね、確か。
 

全デザインで、800種類以上あるようです。

 

オズボーン社は1965年に終了しているのですが、アイボレックスの素晴らしさに感銘をうけた方により復刻(買収?)されています。その会社はボッスンズ社(Bossons)で1981-92年頃に一部のデザインだけ復刻版を作っていたようです。両社は後ろのスタンプかシールを見ればすぐにわかります。

 
 

おしまい…
 
いぬお☆

アンティークは、なぜ高いのか?

明けましておめでとうございます。
いぬお☆ です。
 
今回のテーマは、実はずっと前からブログに書こうと思って温めていた内容になります。

 
 

 
 
 

アンティークは、なぜ高いのか?

トゥーシェはアンティーク業者です

 
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、英国雑貨トゥーシェはイギリスから雑貨を輸入しております。その中にはアンティーク品・ヴィンテージ品もあり、それらの販売もしています。販売中には様々なお客さんとお話しますが、「アンティーク品って高価でしょう?」と言われる事も少なくありません。では、なぜアンティークは高い価格になりやすいのか、今回はこの辺りの原因・理由などを記事にしていこうと思っています。
 
※ あくまで一業者の個人的な見解であり、他にも様々な解釈が存在する事をご理解の上でお読みください。
 
 
 

アンティークの定義

 
本題に入る前に、アンティーク(Antique)やヴィンテージ(Vintage)という言葉の意味をもう一度考えてみましょう。
 
皆さんはアンティークと聞いてどんな印象を持ちますか?恐らく「古い品物」というイメージが湧くと思います。
では似た言葉のヴィンテージとは何が違うのでしょうか?
ヴィンテージは「数十年前くらい?レトロと似てる?」
アンティークは「戦前とか?何百年前とか?少ない・希少なイメージ。価値がありそう」というような漠然とした印象ではないでしょうか?
 
私はその漠然とした感覚が正解だと考えています。

アンティークという言葉に明確な定義はない

と、思っているからです。ヴィンテージもしかり、です。
 
アンティーク品を購入したり、知識がある方は「アンティークは製造から100年経った物しかアンティークではない」と考えている人も多いと思います。この「100年」という分かりやすい数字は、輸入通関の関税率を決めるための閾値になるのですが、あくまでこれは関税率の話だけですので、

80年前ならアンティークと呼んではいけません!

という法律や規則は全くありません。100年経っていなくても、どこの国でも気にせずアンティークと呼んでいると思います。
 
こういった言葉は「文化的なもの」なので、むしろ漠然としたイメージの方が重要だと思っています。
このイメージを少しだけ深堀りすると

アンティークは少ない
→ 大量生産されていない時代に作られた
アンティークは装飾が綺麗
→ 精度の高い機械がない時代なのに、手作業で多く手間がかかっている

このように考えられます。
 
これらを考えた上で、もし明確に線を引く(時期を定義する)とすれば

第二次世界大戦以前がアンティークなのかな?

と考えてます。個人的に、ですが。

 

購入した現代品も100年後にはアンティークになるの?

 
また少しわき道に逸れます。
 
お客さんとの会話の中で、
「今買ったコレも100年後にはアンティークとして価値が出るわね!?」と稀に言われます。
現状の(通関上の)定義では100年経てばアンティーク扱いです。これは事実なので、お客さんとの話の中では「そうかもしれませんね!」と言いますが、実はやや懐疑的な心情です。
 
なぜか?というと、前述したように私の思う価値のある「アンティーク」は「大量生産されていない時代に多くの手間をかけて作ったもの」です。戦後(特に1970年以降)は戦前に比べ、作業のほぼ全てを機械で行い、物の製造効率が爆発的に上がっていると思いますので、「膨大に同じ物がある」「模様が完璧に同一である」「耐久性が高い。壊れないから数が減らない」「人の手間暇はかかっておらず、1つ1つには思いが込められてない」
そのため私の思う「アンティーク」の定義からは外れてしまいます。仮に100年経っていても・・・です。
 
ただし、100年後の未来がどうなっているかを私は知りません。もしかしたら、価値がとても上がっているかもしれませんので、本当の意味での答えは今は分かりません。

 

アンティークが高額になる理由

 
前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。
アンティークがなぜ高くなるのか、という理由をなるべく論理的に説明したいと思います。
幾つかの理由があるので項目ごとに説明したいと思います。
 

1.今、作っても高い

 
これは上述した「手間暇かけて作っている価値」と同じ話になります。
とあるアンティーク品と同じ物を、今作ろうとしても高価な物になるはずです。ただし、「現代の効率の良い機械を使わずに、同じ手法で作る」という意味です。職人さんの賃金は恐らく100年前より現代の方が圧倒的に高く、手作業の技術的には昔の職人の方が高いと思いますので、現代、同じ方法で手間暇かけて作ると、かなり高価な物になってしまうと予想されます。
つまり、製造コストから考えても(ある程度以上は)「そもそも、そのアンティークは高価であるべき」と言えます。
 

2.1点物だから高い

 
「1点物」という単語を耳にしたことがあると思いますが、1点物とは言葉のとおり1点1点が異なり、同じ物ではないと言う事です。アンティーク品は同じデザインでも微妙に柄や形が違っていたり、ダメージ・経年劣化などの状態が異なっていたりします。そのため、狭義の1点物と言えます。
 
よく「アンティークって古いから高いんですよね?」とお客さんから言われますが、いぬお個人としては「はい!ですが、それ以上に『1点物』だから高いんです!!」と言いたいくらい大きな理由です。
 
1点物だとなぜ高額になるのか?1点物にはメリットがありますが、デメリットもあるんです。
メリット

  • 1つ1つの個性を感じられるというスペシャル感がある

デメリット

  • 個々に状態が異なるため、同じ物を簡単に仕入れられない
  • 形・柄・状態などが悪く、売れない物が発生する

 
このメリットは素晴らしいです。個性があるからこそ、持ち主は愛着が強くなると思います。トゥーシェはアンティークに限らず、このスペシャル感を大事にしています。
ただし、デメリットの1つ目は深刻な問題です。普通の現代品であれば、電話やメールで仕入可能です。また、1回のメールで100個、1000個、10000個、何個でも注文できます。1点物は1点仕入れするのに、個々の状態・出来栄えを確認しなければならない事が多く、これにはとても時間がかかるので、商売上においては大きなデメリットになります。当然ながら、仕入れにかかる時間も「仕事」であり、その人件費がかかりますから。
 
これが1点物だと高くなる理由です。
 
 

3.輸入品だから高い

 
英国雑貨トゥーシェのように、遠いイギリスからアンティークを輸入している場合、渡航費・滞在費・運送費・関税などの経費がかかります。当然ですが、それらの経費は最終的な価格に影響します。
アンティークは1点物なので、基本的には実物を見て選ぶ必要があり、仕入れの度に渡航費・滞在費がかかります。
 

4.希少性があるから高い

 
これも前述した「少ないから高くなる」という理屈です。
これは1~3までのように原価に関する問題ではなく、「付加価値」の問題です。
 
「120年も昔の人が思いを込めて作った物」
「今ではもう作れない物」
「あの有名な偉人が所持していた物」
「希少な素材が使われている物」
 
なかなか魅力的なフレーズだと思いませんか?
こういった「特別な物を持ちたい」という人のために、量産されてない価値のある品を見つけ出すのは宝探しのような作業です。実は非常に多くの時間がかかっています。運もありますが。
 
また、「歴史的な価値がある」などの理由もここに包含される理由であり、最もアンティークらしい夢のある理由だと思っております。他の理由は正直に言って、現実的で夢のない理由になってしまっていますから。
 
 

5.リスクがあるから高い

 
これは「そう頻繁に売れない物だから高くなる」という事です。
売れにくい品物は、当然売れ残る確率も高い訳で、この節のタイトルの「リスク」とは不良在庫リスクの意味です。
 
アンティーク品は通常、「趣味雑貨」に属するものが多いと思います。
つまり、生きていく上では、あってもなくてもいい物で、あくまで趣味で手に入れたい物という意味です。
こういった趣味性の高い物は「1種類ごとの売れる確率」を見ると、かなり低いです。そのため販売する物の種類数を多くする事で、売れる「個数」を上げる事ができます。ただし、1個1個の販売確率が低いという事実は変えられないため、安く販売していると「仕入れにかかる経費」「販売にかかる経費」「破損」「不良在庫」などの費用が種類数に比例して大きくなり、全く利益が出ないどころかどんどん損益が増えていきます。
 

結論として、販売価格を高くし、1個を販売した際の「利益部分」を大きくせざる得なくなるのです。

 
「売れないのであれば、逆に安くするべき!」と思う方もいるかもしれません。確かに、それも一つの方法です。ただし、(真っ当な商売をしている場合は、)価格は「実はそう安くできない」事と、趣味性の高い品は「多少安くても興味のない人には不要」であり、結局のところ行き詰ってしまうのです。
 

まとめ

 
上記のような色々な原因・理由が混ざり合って、アンティーク品は現代品よりも高額になることが多いです。
業者によってはリーズナブルな所もありますし、高価な所もあります。最終章で、その辺りに触れてみようと思います。
 
 

アンティークの価格は業者によって異なる

 
アンティーク品はそもそも数が少なく、出来・劣化状態も含めた「同じ商品」が同時期に販売されている事は多くありません。また、その商品が製造されてからかなりの年月が経っている事が多く、元々の販売価格が分からないことがほとんどです。
 

つまり、「メーカー希望小売価格」や「参考上代」のような参考値が全くない状態になります。

 
なので類似品・同品でも業者によって価格が異なり、場合によっては大きく値差がある事もあります。
 
海外からの輸入アンティーク品の場合、仕入れ値だけでなく仕入れ作業にかかった経費(渡航費・滞在費・運送費・関税など)が大きく影響します。とても平たく言うと、効率的に大量の商品を手に入れられれば、最終的な価格を低くできる事が多いです。ただし、効率的に大量に商品を手に入れるという事は、逆説的に「1つ1つの商品を選ぶ時間をかけていない」とも言えます。基本的には、前者と後者はトレードオフ(二律背反)の関係です。

上図のように、効率的に仕入れすれば低価格にはできますが、状態が悪いものが多くあったり、希少なものは手に入れられない事が普通です。これはあくまで一般的な話ですので、参考程度に考えてください。
もしかしたら「大量・高効率に希少品を輸入していて、1つ1つの商品に対する熱意もすさまじく、低価格」な業者もいるかもしれません。
※ 英国雑貨トゥーシェは、この図で言うとちょうど真ん中くらいに位置しているかな、と考えております。
 
 
最後に、本当に希少なアイテム(美術館品レベルなど)は、上記のような一般的指標には全く当てはまりません。仮に歴史的発見レベルの物だったら、仕入れ値など一切関係なく超高額になってもおかしくはありません。
 
 
 
長文乱文になってしまいましたが、最後まで見て頂きありがとうございました。
おしまい…
 
いぬお☆

日本橋三越|2019年 英国展の記録

こんにちは。
いぬお☆です。
 
 
今週、月曜日に2週間続いていた日本橋三越の英国展が終了しました。
少し遅くなりましたが、日本橋三越・英国展にいらっしゃったお客様、ご来場ありがとうございました!
 
前半は特に激混だったようですが、英国ファンの多さを物語っているとも言えるので、いぬおとしては嬉しいです。日本橋三越・英国展の簡単な備忘録を残そうと思います。
 
例によって
自社のブース以外、ほとんど写真撮ってない!!
状態ですが、1年後・2年後に誰かの参考になると信じて・・・^^;
 
 
 

日本橋三越での英国展

 

ここ数年程は、いつも9月の1週目の水曜日から始まり、今年も2週間開催です。今年は9/4~9/16(9/10だけお休み)でした。

都内の英国展(イギリスフェア)としては最大級で、SNS等の活用により若年層~年配層まで幅広いお客さんが来場してくれました。英国展が前半1週間と後半1週間(パート1、パート2)に分けられており、特にパート1の食品は激混して大変だったようです。
雑貨の方ももちろん混んではいましたが、歩けないレベルではなかったです。
 


 
 

以下に規模情報などを載せておきます。
 

  • 場所:日本橋三越
  • 催事規模:大規模
  • 出展社数:雑貨 約30社、食品 約30社
  • 出展社種類:ほぼ全て(雑貨・家具・アンティーク・ファッション・ジュエリー・キッチン・スコーン・ジャム・マーマレード、など)
  • その他:前半・後半(パート1、パート2)で食品業者は入替、雑貨業者も一部入替
    食品・雑貨、共に招聘者有り(1~2名)

 
 

 
 
 
 

話題だったお店

 
 
会場で見ていても、SNS等を検索してみても、特に話題になっていたのはリントンズさんでした!(紅茶・ミルクティーの販売・イートイン)
 

 
日本橋三越のSNSでのプレゼントキャンペーンもありましたし、何よりイートインには毎日1時間半待ちくらいの大行列が出来ていたらしいです。いぬおも休憩時に利用させて頂きましたが、美人なリントンズ婦人から直接ミルクティーを受け取れましたし、付属のジンジャーブレッドがとても美味しかったです☆

(リントンズ婦人スー様
リントンズHPより勝手に利用させて頂きました。岡田さん、すいませんっ!)

 
やはりスコーン・紅茶は、イギリスの代名詞で、圧倒的にファン数が多いです。
 
 
 
個人的にはタスマン(バーレイの輸入会社)で買ったハンドカット・クリスタルグラスがお気に入りです♪

 
 
 

その他の催事などのスケジュールはこちら
 
 

おしまい…
 
いぬお☆